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ヴァッシュ役・松岡禎丞、メリル役・あんどうさくら、ロベルト役・松田賢二によるオフィシャル鼎談インタビュー

――本作への出演が決まった際のお気持ちを聞かせてください。

 

松岡:事務所からオーディションに受かったと連絡を頂いた時は、喜びというより、不安の方が大きかったです。もともとの『トライガン』を知っている方の思いを崩したくないし、かといって自分が思うヴァッシュ像を演じたいし。そのせめぎ合いに悩み、「もうすぐトライガンの収録がやって来てしまう…」とビクビクしていました(笑)。

 

あんどう:『トライガン』を好きな友達が多くて、そんなステキな作品に関われたら嬉しいなと思いつつ、オーディションではどこか他人事でした。まさか受かるとは思っていなくて…。合否の電話を受けた時、あまりにも信じられず時間を空けてから「さっき電話しました?」って聞きなおしちゃいましたもん(笑)。2回も確認したのに、「発表時に私の名前がなかったらどうしよう」と解禁のニュースが出るまでドキドキしていました。

 

松田:お2人と同じく「まさか受かるとは」と。僕は、オーディションに手ごたえがあった時はだいたい落ちて、手ごたえがない時に受かることがあるんです。今回は手ごたえがあったから「ダメなんだろうな」と思っていました(笑)。

 

――新たな『トライガン』の物語が紡がれる本作。もともとの作品を知っていた松岡さんは、今作の台本を読んでどのような印象を持ちましたか?

 

松岡:「こう来るか!」と思いました。話の流れも構成も違うのに、自分が知っている『トライガン』なんですよ。新しいのに、しっかりと『トライガン』であることを感じられて、「『トライガン』好きな方が作ったんだな」と強く感じられる物語になっていました。

 

――あんどうさんと松田さんは、今作で初めて『トライガン』に触れたそうですね。

 

あんどう:オーディションを受ける前に原作は読んだのですが、内藤泰弘先生が描くコミカルでユーモアある世界観の中に、心にジーンと来るシーンもあって、そのギャップに惹かれました。この『トライガン』が今作でどんな風に新しく生まれ変わるんだろうと考え、ワクワクが止まらなくなりました。

 

松田:僕もオーディション前に前アニメを見たのですが、ロベルトは今作から登場するキャラクターなので「何を参考にしたら良いんだ?」と不安になりました。名前が「ロベルト・デニーロ」なんでね…“あの人”を参考にしたら良いのか? なんて考えたり(笑)。

 

――そんな中で、どうやってキャラクターを作り上げていったのでしょうか?

 

松田:オーディションに受かったのだから、監督は最初に僕が作っていったロベルトが良いと思ってくれたはず。その時のイメージを思い出しながら演じました。特に焦点を当てたのは、「現実主義者」というところ。その上で、夢も希望もない、ただやさぐれているだけの男にはならないように気を付けました。

 

――ヴァッシュやメリルはいかがでしょうか?

 

松岡:ヴァッシュは基本ニコニコしているのですが、その笑顔の裏に隠れている思い、抱えている闇の部分が物語の大きなキーポイントになっています。なので、ノーテンキそうに見えるけど「なんかあるな、こいつ」と思わせる芝居を常に意識していました。ただ、それを意図的にやってしまうと嘘くさくなってしまうので、塩梅が難しかったですね。

 

あんどう:私は監督から言われた「メリルはOLなんで」という言葉がすごく印象的で、その言葉を忘れずに演じようと思ったことを覚えています。メリルは見た目がすごくかわいらしいから、少し幼く演じてしまっていたんです。その時に言われた「メリルはOLなんで」という言葉にハッとさせられました。「確かに!」って(笑)。でも、もちろん幼い意味ではないかわいさは持ち合わせていて、ヴァッシュに正論を畳みかけるシーンでも、どこか「かわいい」と思ってもらえるような親近感を出せるように演じました。

 

――3人で掛け合ってみていかがでしたか?

 

松岡:あんどうさん、松田さんのお芝居はどこか“リアル”で。その場にいるような感覚でお芝居できましたし、毎週緊張して現場に行っていたので、お2人に救われました。

 

松田:“リアル”に関しては、最初に監督から言われていたことなんですよね。「アニメの声優をやるつもりじゃなくて、とにかくリアルにやってほしい」と。それを指針としていたので、松岡さんがそれを感じてくれていて嬉しいです。

 

あんどう:松岡さんの声って、どこかセクシーですよね。陰のある色っぽさを持っている。それがヴァッシュの隠れた闇の部分を感じさせて、すごくステキだと思いました。台本を読んで想像していたよりも、もっと鮮やかなお芝居をされていて、そのおかげで私もメリルを演じられたと思っています。

 

――今作では、3DCGで描かれる映像も見どころとなってきます。映像についての印象も聞かせてください。

 

松岡:『トライガン』の世界の細かい空気感まで感じられる、素晴らしい映像になっています。本当、観ないと損すると言っても過言ではないです!

 

あんどう:小さい頃に見ていた3Dアニメーションは、抽象的ですが「絵が動いてる」という印象でした。それが、今作の『トライガン』では本当にその世界にキャラクターたちが存在していて、意思を持って動いているように思えるんです。技術の発展ももちろんですが、スタッフ陣が命かけで作っているという気合も伝わってくるので、是非体感してほしいですね。

 

松田:僕は大友克洋さんの『AKIRA』を見た時に、「アニメはここまで来たんだな」と“過渡期”を感じました。アニメ業界にとって、大きな変革の時だと思ったんです。そして、今回の『トライガン』を見て「また新しい、アニメにとって次の時代が生まれる!」と大きな衝撃が走りました。ただリアルなだけじゃない、想像力も膨らませてくれるクオリティになっているので、本当に見ないと損だと思います。是非、その感動を味わってみてください。